TACAM T-60 対戦車自走砲 のプラモデル一覧

実車概要

TACAM(タカム)T-60は第二次世界大戦中にルーマニア王国が製造した対戦車自走砲である。

枢軸国として大戦に参加したルーマニアは、ナチスドイツに次いで2番目の大兵力を東部戦線に投入した。

初期の快進撃の結果、同国はソ連軍から大量の兵器を鹵獲することに成功する。その中で最も注目されたのが「T-60軽戦車」と「76.2mm野砲F-22」である。前者はルーマニアの国力でも運用可能な技術水準で作られており、後者はドイツ軍のPak40に匹敵する性能を有していたからだ。東部戦線においてドイツと同じくソ連のKV-1重戦車及びT-34中戦車に直面したルーマニアにこれらを活かさない手はなかった。

首都ブカレストのレオニダ製作所で製造(改造)されたTACAM T-60は、原型戦車の戦闘室を取り除いた部分にF-22野砲を取り付けたごく単純な構造をしている。主砲防盾は鹵獲したBT-7快速戦車の装甲版を切り出して成形したものである。一方でサスペンションやロードホイールは重量増に対応して若干の改修がなされていた。

1944年初頭から実戦に投入され、ソ連赤軍のルーマニア侵攻作戦である「第一次ヤッシー=キシニョフ攻勢」ではドイツ軍と共に祖国の防衛に(一時的ながら)成功している。

TACAM T-60:キット一覧

スケール元型車両キット名称メーカー発売定価キャタピラ特殊パーツ備考
1/72T-60ルーマニア・タカムT-60対戦車自走砲Military Wheels2015年¥4,180(税込)プラパーツ組立
1/35T-60ルーマニア陸軍 TACAM T-60駆逐戦車 フルインテリア(内部再現)MiniArt2019年¥7,480(税込)プラ完全分割エッチング・インテリア再現
・通常版キットに「戦闘室上部テントマウント」
パーツを追加したもの
1/35T-60Aルーマニア 76ミリ自走砲 TACAM T-60 フルインテリア(内部再現)MiniArt2019年¥6,600(税込)プラ完全分割エッチング・インテリア再現
1/35T-60Aルーマニア TACAM T-60 自走砲HOBBY BOSS2021年¥8,580(税込)プラ完全分割エッチング防盾の形状がミニアートと異なる

キット解説

タカムT-60はインジェクションキットが4つ存在しています。内訳は1/35キットが3つ、1/72が1つとなっています。このうちミニアートの1/35キットの二つは「テント用支柱」によるバリエーション違いですから実質的には3種類と言えるでしょう。

オープントップの自走砲ということで、小スケールのミリタリーホイールズも含め全てのキットが内部構造まで再現されているようです。

このうちミニアートの二つに関しては防盾左側面の可倒式装甲板が別パーツになっていて、タカムの特徴的なシルエットが再現可能です。

タカムは鹵獲品を利用した再生兵器であり、サブタイプによる区別は基本的に存在しません。

しかしこだわるのであれば「転輪」に注意して購入しましょう。

原型のT-60軽戦車の転輪は穴の空いた「スポーク型」と穴の無い「円盤型」があり、スポーク型転輪を装備する前期型がT-60(最大装甲厚20mm)、円盤型の後期型がT-60A(最大装甲厚35mm)と呼称されています。

そのためタカムT-60にも外形上2種類のバリエーションが存在するというわけです。

最新のホビーボス社はT-60Aを、古参のミリタリーホイール社はT-60をモデルにしています。またミニアート製品については通常版がT-60A、テント支柱付きのモデルがT-60を封入する転輪パーツの変更により再現しています。

キット一覧表にも同項目を設けておりますのでご活用ください。

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