60式自走無反動砲 のプラモデル一覧

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本記事では陸上自衛隊「60式自走無反動砲」のプラモデルについて、一覧形式でわかりやすくご紹介しています。

あなたの模型製作の参考になれば幸いです。

実車概要

「60式自走無反動砲」は、自衛隊が1960年に制式採用した対戦車自走砲である。

同年採用のAPC(装甲兵員輸送車)である「60式装甲車」と合わせて戦後初の国産戦闘車両となった。

2008年に全車が退役した。

60式自走無反動砲:キット一覧表

スケール型式キット名称メーカー発売日通常価格キャタピラ備考
1/35B型FM45 陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型ファインモールド-5,060円(税込)プラ製(部分組み立て)<付属品>
フィギュア2体
1/35C型FM51 陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 C型ファインモールド-5,060円(税込)プラ製(部分組み立て)<付属品>
フィギュア2体
1/72C型陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 (2両セット)アオシマ2013年11月1,870円(税込)プラ製(部分組み立て)2両セット

おすすめキット

60式自走無反動砲のプラスチックモデルは、国内メーカーから3つが発売されています。

ファインモールド社が2種類をキット化していますので、それぞれ昭和仕様(オリーブドラブ単色)、昭和末期〜平成仕様(二色迷彩)と作り分けるのも面白いでしょう。

アオシマ製の1/72モデルは箱等に特に説明はありませんが形状はC型です。

残念ながら初期生産型の〈A型〉および試作型の〈試製56式105mm自走無反動砲〉については現在までのところキット化されていません。

〈コラム〉60式は最後の日本軍?

世界的にもユニークな兵器として知られるのが本記事でご紹介した「60式自走106mm無反動砲」です。

同種の車両はアメリカのM50オントスしか存在せず、一撃離脱戦法の特異なコンセプトやこれを容易にすべく後ろ向きに配置された装填手シートなど、ミリタリーマニアなら軽く数時間は話題に事欠かないのがこの車両。

その中でも今回は、本車の”独特なデザイン”に注目してお話していきたいと思います。

 

戦車に詳しくない人でも、他の自衛隊車両と60式を見比べればなんとなく違和感を覚えることでしょう。

それもそのはずで、本車とそれ以降の自衛隊車両の間には技術的に大きな断絶があるからです。

 

60式は初期の名前を「試製56式105mm自走無反動砲 SS」と言い、自衛隊のあらゆる車両の中でもっとも早くに研究が開始された車両でした。

自衛隊車両設計の多くに携わった林巌男氏は『陸自車輌の開発記録』の中で「SSに用いられた技術は、実際には大部分が戦前・戦中の技術であった」と述べています(実際に彼が設計に携わるのは少し後の60式装甲車から)。

ユーザーの陸自はすでに米軍供与車両を使いこなす段階に入っていましたが、メーカーサイドはまだ十分にアメリカの技術を修得できていませんでした。

 

これは車体の各部を見ていくとよくわかります。

シャーシはアルミ合金装甲のリベット接合、これは旧軍の九七式中戦車チハに代表されるように、戦前・戦中で一般的だった接合方式です。機関部は旧軍由来の空冷ディーゼルエンジンで、これは大日本帝国が戦車の分野で世界に誇ることができる唯一と言ってもいい先進技術でした。操向装置も同様で旧軍伝統のクラッチブレーキ方式を採用しています。

また前輪駆動によるスプロケットの配置、低姿勢を追及するために同期の60式装甲車や61式戦車とは異なり車体前面が一枚板の装甲でないことも、結果的に「旧軍車両っぽさ」を加速させています。

一方アメリカ由来の部分は(武装を除くと)足回りがこれに当たります。

懸架装置は戦前の日本だと研究のみに終わったトーションバーサスペンションを採用。また履帯に滑り止めの役割を果たすゴムブッシュが導入されました。

 

以上のことから、主要コンポーネントの多くが旧軍と同じ技術で作られている60式自走無反動砲がまるで日本軍の戦車に見えるのはある意味自然なことなのです。

 

林氏はM24チャーフィーに試乗したとき、またその後自身が設計に携わるようになったとき、彼我のあまりの技術格差に驚きを隠せなかったと述べています。

これを証明するかのように以後の車両設計において旧軍から蓄積した伝統技術はほとんど使われなくなっていきます。

60式自走無反動砲は、旧軍の技術がまだギリギリ通用した時代背景と、冷戦の緊張が加速していく中、一刻も早い装備の国産化を望む日本が生み出した「最後の日本軍」的車両だったのかもしれません。

 

<参考文献>

林巌男「AFV技術者のノート」『陸自車輌の開発記録』アルゴノート社,2020

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